代表的な指導事例
算数・理科・社会は安定している。だからこそ、国語をなんとかしたかった
―「なんとなく読む」から、「論理的に読む」へ―
ある生徒は大手塾に通い、算数・理科・社会では偏差値60〜65台を安定して取っていました。
一方、国語は偏差値30台・40台を繰り返していました。ほかの3科目が安定していたからこそ、国語の成績が4科目全体の結果を大きく左右する状態となっていました。
算数・理科・社会の偏差値_60〜65台
国語の偏差値_30台・40台
小学6年生の春から指導を始めました。
当初は、本文を読んでもどこに着目すればよいのかが整理できておらず、選択肢を感覚的に選んでしまう場面が多く見られました。
文章の内容を大まかに捉えることはできても、どこで話題が切り替わっているのか、段落同士がどのようにつながっているのかを、文章中の手がかりから判断することが十分にできていませんでした。
また、設問が何を求めているのかを絞り込めないまま、選択肢の印象や言葉の似ている部分だけを見て答えを決めてしまうこともありました。
正解している問題でも、本文のどの部分を根拠に判断したのかが曖昧なことがあり、同じ読み方・考え方を次の問題で再現しにくい状態でした。
そこで、文章のどこで話題が切り替わり、なぜそう判断できるのか、設問が何を求めているのか、どの部分を根拠として答えを判断するのかを、一問ずつ整理していきました。
接続語、対比、言い換え、重要語句などを手がかりに文章全体の流れを捉え、選択肢問題では、各選択肢を本文と照らし合わせながら、どこが正しく、どこが本文と一致しないのかを確認しました。
ただ正解を知るのではなく、文章の構造と設問の根拠をもとに、自分で判断できる読み方へ変えていくことを重ねました。
授業を重ねる中で、文章の印象だけで答えを選ぶのではなく、話題の切り替わりや段落同士の関係を意識して読める場面が増えていきました。
選択肢についても、なんとなく二択まで絞るのではなく、本文のどの部分と一致しているのか、どの言葉が不正解の判断につながるのかを確認しながら選べるようになっていきました。
記述問題では、本文から必要な要素を抜き出すだけでなく、設問が何を求めているのかを確認したうえで、どの内容をどの順番で組み合わせるかという答案の構成も確認しました。根拠となる箇所を押さえたうえで、問いに正面から答える文章になるよう、内容の過不足やつながりを一つずつ整理していきました。
初見の文章でも、授業で整理した読み方・考え方を使い、設問に対して本文のどこを根拠とするのかを正しく判断できる場面が増えていきました。
入試直前期に、自己最高となる国語偏差値59台を記録
海城中学校に合格
国語が受験全体の大きな不安材料となっていた状態から、4科目で力を発揮できる状態へ近づき、海城中学校合格につながりました。
この事例で変わったのは、偏差値だけではありません。
文章のどこに着目し、どのように構造を捉え、設問に対して何を根拠に答えを決めるのか。その過程を一つずつ整理したことで、初見の文章でも自分で考え、判断できる読み方へ変化していきました。